スマートフォンやタブレットの普及で「やっぱタッチ操作っしょ!」となってる昨今、みなさまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。いや、まぁ、使いやすいから普及するのでしょうし、それは良いことです。ただ、たまにはマウスのことも思い出してあげてください。
そんなわけで、今回はマウスについてお話ししようと思います。
マウスやタッチパネルのように、スクリーン上の「何か」を指し示す為の装置を総称して「ポインティングデバイス」と呼びます。ポインティングデバイスには以下のようなものがあります。
現在においてポインティングデバイス全体ではタッチパネルが最も優勢かと思われますが、パソコンで利用するポインティングデバイスとして最も広く使われているのは、やはりマウスでしょう。
マウスの歴史は案外古く、1961年にダグラス・エンゲルバートというおじさんが発明しました。ダグラスさんが発明し、ビル・イングリッシュという方が設計・開発した世界最初のマウスは、四角い箱の底面に車輪を二つL字状に組み込まれ、天面の右上隅にボタンがひとつ、そして接続コードは手首側(つまり操作する人間に取っては手前側)からのびているものでした(こちらの記事にカラー写真がありました)。
こちらの記事によれば、マウスの登場から数年後に、ある実験が行われたそうです。
さまざまなCG用入力装置を検証するという実験が行なわれた。ワークステーションの上の3点に「X」が表示され、被験者がそれぞれの入力装置でこの「X」にポインタを動かしスペースバーを押すと、位置あわせにかかった時間や正確さが分かるというテストだった。私の装置は他のすべての装置に打ち勝った。右利きであろうと左利きであろうと使えるというメリットもあったし、ライトペンのようにわざわざ持ち上げて画面まで持っていくという手間もなかったからね。それ以来、私のまわりの人々は皆、この装置を使うようになった。
ダグラスさん上記記事で触れられているように2013年にお亡くなりになりました。マウスの発明以外の業績も数多いダグラスさんですが、やはりマウスの父としての存在が大きく、その死を悼む記事もたくさんあります。
さて、話をマウスに戻しますね。先程述べたように車輪ふたつとボタンひとつから始まったマウスですが、より快適に使えるよう様々な改良が加えられてきました。
L字状に配置され縦と横の動きを検知していた車輪は、よりスムーズに動かせるように車輪を内側に内蔵し、ボールを接地させてその回転を車輪で検知するようになりました。しかし今度はボールが机のホコリを巻き込んで内側の車輪の回転が悪くなるため、やがて光学式のマウスへと進化していったのです。
ボタンにしても、1ボタンから2ボタン、3ボタン、更なる複数ボタンと増えていきました。増加したボタンはユーザが好みの機能を割り当てることで、より快適に操作ができるようになっていきました。
あ、そうそう、1996年頃から普及してきた「ホイール」も忘れてはなりません。今ではほぼ全てのマウスに搭載されているホイールですが、当初のマウスにはなかったもので、マウス天面にあるホイールと呼ばれる車輪状のものを回転させることで、縦スクロールや拡大縮小など様々な補助をしてくれるのです。ホイールも、縦方向への回転操作だけでなく横方向の傾きで操作できるチルトホイールや、いっそタッチセンサーにしてしまえ! といった製品も登場しました。
マウスをパソコンとつなぐコードも最初は手前側だったものが奥側へ、そしてコードレスへ、と変化してきました。
素早く正確に操作する為に生まれたマウスは、便利に快適に操作する為に進化してきたのです。
「パソコン」よりパーソナルなスマートフォンやタブレットの登場とタッチ操作の普及により、マウスはポインティングデバイスの王者では無くなっていくかもしれません。ですが、ワークステーションとしてのコンピュータの操作ではまだまだ代表的であり、当分のあいだは廃れることは無いと思われます。
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