リードとは、自社の商材に対して興味・関心を有しており、将来的に購入することが期待される「見込み客」のことです。リードの数は売上に直結するため、リードを効率よく獲得することは、企業の営業戦略上非常に重要です。
しかし、ただリードを獲得しただけでは、そのリードは最終的な購入まで至らないケースも多くあります。そこで重要となるのが、リードを育成し自社の商材への興味を深めさせ、購買意欲を高めさせるプロセスです。これをリードナーチャリングと呼びます。
この記事では、リードナーチャリングの重要性や、代表的な手法について紹介します。
リードナーチャリングとは、獲得したリードを育成するプロセスのことです。ここでいう育成とは、自社の商材に対して興味を有しているリードに対してより役立つ情報を提供したり、リードの疑問点や不安点を解消したりすることで、リードの購買意欲を高めることです。
リードナーチャリングの必要性が高いのは、BtoBビジネスや、BtoCビジネスのうち不動産や金融商品などの比較的単価が高い商材です。これらは商品の購入までに、競合製品との吟味、購入の必要性の検討、具体的な商談等様々なステップを踏むため、興味・関心を有してから最終的な購入までにかかる時間が長くなりがちです。
購入までに時間がかかる場合、リードはその商材に対して興味を失ってしまったり、競合他社の商品を購入してしまったりする場合があります。これを防ぐために、リードナーチャリングの施策を行うことで、リードに対して自社商材の購買意欲を高める必要があるのです。
以下では、リードナーチャリングの重要性やメリットについて説明します。
現代では、BtoBビジネスのみならず、BtoCビジネスにおいても、顧客が商品に興味を持ってから購入の意思決定までの期間が長期化しているといわれています。購入までの期間が長くなればなるほど、途中でリードが商材に対する興味を失ってしまう可能性があります。
顧客の購買プロセスを定式化したものとして有名なのが、AISCEASです。これは、Attention (注意)、Interest(関心)、Search(検索)、Comparison(比較)、Examination(検討)、Action(購買)、Share(共有)の頭文字を取ったもので、顧客は商材に興味を有してから購入までの間に、このような順序で検討を行うものとされています。
特にインターネットが普及した現代においては、競合製品の情報を誰でも簡単に手に入れることができるため、Comparisonの段階で他社の商材をより魅力的に感じてしまう場合が多くあります。そこで必要となるのが、リードナーチャリングです。自社の商材の魅力を伝えることで、リードが競合他社に流出することを防ぎます。
また、BtoBビジネスでは、BtoCビジネスと比較して、具体的な商談を始めるまでに信頼関係の構築が必要となります。リードを獲得してから何もフォローを行わなければ、信頼関係を構築することはできず、他社へ流出してしまうおそれがあります。
以上のような理由から、BtoBビジネス、BtoCビジネス問わず、リードナーチャリングが重要となっています。
一口にリードといっても、その状況は様々です。商材に対して強く興味を有している場合もあれば、少し気になっている程度の場合もあります。
そのすべてのリードに対して営業活動を行うことは、限られた営業リソースの活用の観点から得策ではありません。より成約の見込みが高い、いわば「質」の高いリードに対して営業リソースを注力することが最適です。
そこで、必要となるのがリードナーチャリングです。リードナーチャリングであれば、リードに対する個別の営業活動よりもコストを抑えつつ、自社への興味・関心を深めさせることができます。
リードナーチャリングを実施すれば、これまでは成約の見込みが低い、「質」の低いリードを「質」の高いリードにすることができます。そうして成約の見込みが高まったリードに対して営業活動を行うことで、限られた営業リソースを最大限有効活用することが可能です。
では、具体的にリードナーチャリングはどのように行うのでしょうか。以下では、リードナーチャリングの手法について紹介します。
メールは簡単に大量のリードに対して情報を送信できるため、効率的にリードナーチャリングを行うことができます。また、メールは手軽に読むことができるので、受け手側であるリードにとっても、簡単に情報を入手できるというメリットがあります。
ただし上記の通り、リードといってもその状況は様々であるため、メールマガジンのようにリード全員に対して同じ内容のメールを送ってしまうと、かえって逆効果となることがあります。そこで役立つのが、ステップメールやセグメンテーションです。
ステップメールとは、リードの行動に応じた内容のメールを送信することです。例えば、会員登録をしてすぐのリードには商材に関する基礎的な内容のメールを、資料請求をしてある程度購入の検討をしていると考えられるリードに対しては他社製品と比較して自社製品の優位性を伝える内容のメールを送信するなどが挙げられます。
セグメンテーションとは、顧客の属性に分けてそれぞれに最適な内容のメールを送信することです。属性は、リードの所在地、年齢、性別、企業か個人か、閲覧したページの内容等で分類します。
ステップメールやセグメンテーションは、リードがいま知りたいと思っている情報を提供することができるため、リードの育成に役立ちます。
リターゲティング広告とは、自社Webサイトを閲覧したユーザーに対して配信される広告のことです。一度Webサイトを閲覧したにも関わらず、興味を失って離脱してしまったユーザーに対して自社の広告を配信することで、自社への興味を呼び起こすことができます。
リターゲティング広告には、Webサイト上で表示される広告であるGoogleやYahooが提供するサービスのほか、TwitterやFacebookといったSNSでも利用することができます。自社の商材の性質に合わせて、どの媒体に出稿するかを検討しましょう。
リードが知りたいと思うような有益なコンテンツを説明するセミナー。セミナーの開催方法としてはオフラインとオンラインがありますが、昨今の情勢下ではオンラインセミナーが主流になりつつあります。オンラインセミナーは、企業にとっては会場費や人件費の費用が抑えることができ、参加者にとっても場所を選ばず参加できるため、双方にメリットがある方式であるといえます。
また、セミナーはメールや広告と違ってリードが積極的にアクションを取ることが必要であるため、セミナーに参加したリードは、より質の高いリードであるといえます。積極的に営業を行うと、成果が上がりやすいでしょう。
ここまで、リードナーチャリングの概要やメリット、具体的な手法について説明をしました。リードナーチャリングは効率的に営業成果を上げるために、重要なプロセスであるといえます。
自社の商材やリードの性質を踏まえた上で、もっともよく成果を挙げることができる施策を検討・実行すれば、マーケティングは成功するでしょう。
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