商品やサービスの販売数を増やし、企業の売上をアップするためには、より多くの顧客に対して商品やサービスをアピールする必要があります。それを実現するためには、リード獲得の施策をあらかじめ理解しておくことが大切です。
リード獲得の施策にはさまざまな種類があるため、自社にあった施策を選ぶことがポイントとなります。
この記事では、リード獲得についての基本的な知識と、リード獲得の施策の選び方、計画の立て方やPDCAの回し方を説明したうえで、リード獲得の成功事例についても紹介します。
リード獲得の「リード」とは「見込み顧客」のことです。
商品やサービスの売上を伸ばすためには、すでにリピーターとなっている顧客に対して定期的に販売する方法に加え、新規の顧客に対しても販売する必要があります。
新規の顧客に商品やサービスを販売する場合、商品などに対して興味や関心が低い人よりも、興味や関心をある程度持っている人に対してアプローチする方が効果的といえます。
そのため、リードをいかに獲得するか、ということが重要となります。
リードを獲得するには、オンラインによる方法に加え、オフラインによる方法があります。オンラインとオフラインそれぞれに分けて説明します。
オンラインでリードを獲得する主な方法としては下記があげられます。
オウンドメディアとは自社で運営する発信手段のことです。例えば、自社サイトを運営しながら商品やサービスに関する記事を作成し、ブログ形式で発信する方法があります。
商品やサービスについて検索していると、オウンドメディアで発信している記事が上位に表示されることがあるため、リードの獲得に効果が期待できます。
ホワイトペーパーとはマーケティング用語の一つで、商品やサービスに関する内容を詳しくまとめたものです。
具体的には、商品・サービスの概要や使い方などを記載したもので、カタログや取扱説明書に掲載されている内容があげられます。
ホワイトペーパーが自社サイトに掲載されれば、検索で探しやすくなるため、リードの獲得につなげられます。
Web上に広告を掲載する方法としては「リスティング広告」や「SNS広告」の利用があげられます。
リスティング広告とは、検索画面の上部に表示される広告のことです。検索エンジンで特定のワードを検索した場合、画面の上部に表示される検索結果には「広告」と表示されることがあります。
SNS広告とは、FacebookやTwitterなどSNSに表示される広告を指します。
リスティング広告はSNS広告と比べると広告単価は高めですが、特定のワードを検索した際に自社運営のサイトが上位表示されるため、検索した人が興味を持ってサイトを訪れる可能性は高めとなります。
オフラインでリードを獲得する主な方法としては下記があげられます。
展示会やイベントに出展した場合、多くの来場者が見込まれる会場では、一度に多くのリードを獲得できる可能性が高まります。
ただし、展示会やイベントに出展するには、費用の合計額は数百万円程度にのぼることもあります。
出展費用は割高であるものの、多くのリードの獲得が見込めれば、費用対効果は十分に期待できます。出展費用に見合った効果が期待できるかどうかで出展を判断しましょう。
商品やサービスに関連するセミナーを開催すると、商品やサービスに関心の高い人が参加するため、リードの獲得につながりやすいでしょう。セミナーは、自社単独で開催する方法と他社と共同で開催する方法があります。
また、現在ではオンライン上でセミナーを開催する「ウェビナー」も増えています。セミナーの開催コストを抑えられるうえに、参加者にとっても参加しやすい方法であるため、ウェビナーの開催もおすすめです。
低コストでリードを獲得する方法として、ダイレクトメールを送付する方法があります。
ダイレクトメールを作成する場合は、どのような顧客に送付すれば効果が期待できるか、という観点を持つことが大切です。
例えば、企業向けにダイレクトメールを送付する場合、企業の事業内容、企業の規模や立地場所、自社サービスの需要が見込めるか、という点に基づいて送付先を決めると良いでしょう。
ダイレクトメールは制作費用や配送費用を含めて、1部あたり100円程度となります。
リード獲得の施策にはさまざまなものがあるため、施策を選ぶ基準を定めておくことが大切です。ここでは、リード獲得の施策の選び方と、選ぶ際の注意点について説明します。
リード獲得の施策を選ぶにあたって、下記の2つの場合に分けて説明します。
・リードが少なく、できる限りリードを集客したい場合
・リードは多い状況だが、リードの質を高めたい
リードが少なく、できる限りリードを集客したい場合は、展示会やイベントに出展する方法のほか、オウンドメディアやWeb広告の利用が適しています。
数百万円単位の予算を一度にかけられる場合は、展示会やイベントに出展できます。特に、来場者数の多い会場に出展すると、集客効果が高まります。
オウンドメディアやWeb広告は、小規模に運営すれば数十万円程度で済むため、予算を抑えられます。また、リードの獲得を強化したい場合は、予算を徐々に増やし、合計で数百万円程度の予算をかけながら本格的に運用することも可能です。
リードをできる限り増やしたい場合は、より多くの顧客にアプローチできる施策を選びましょう。
リードを十分に集客していたとしても、あくまでも見込み顧客に過ぎず、商品やサービスの販売になかなかつながりにくい場合があります。
そのような場合は、リードの質を高めることを検討しましょう。効果的な方法としてはセミナーの開催があげられます。
セミナーには、商品やサービスについて興味や関心が高い人が参加しやすい傾向があります。さらに、セミナーでは参加者に対して対面で説明できます。それにより、参加者の購買意欲を高められるため、見込み顧客の段階から優良顧客とすることも可能となります。
リードの獲得施策を選ぶ場合の注意点は、先にリードの獲得目標を立て、そのうえでどの施策で集めるかを決めることです。
展示会やイベントに出展すると、一度に多くのリードを獲得しやすくなります。また、リスティング広告やオウンドメディアは長期間にわたって運用すると、累計では多くのリードの獲得が見込めます。
また、一つの施策のみでリードを十分に獲得できないと予想される場合は、複数の施策を組み合わせる方法もあります。
例えば、リスティング広告とオウンドメディアを活用しつつ、定期的に展示会に出展すれば、それぞれの施策を組み合わせることによって、より多くのリードを集客できます。
リードを獲得するためには、計画的に獲得すること、そして、計画を立てたうえで実際に行動して検証を重ねる「PDCA」の回し方が重要となります。
リード獲得の計画を立てる場合、下記の流れで行います。
・売上目標をベースとして、新規獲得目標を決める
・各種リード施策の成約率のデータを調べる
・リード獲得目標は(新規獲得目標÷成約率)で計算する
なお、リード獲得目標にリード単価を掛ければ、リードを獲得するための予算を計算できます。
例えば、それぞれの数値は下記の通りとしましょう。
・新規獲得目標:10件
・リード施策の成約率:20%
この場合、リードの獲得目標は、10÷0.2という式で表すことができ、50件と計算されます。
リード獲得単価が2万円の場合、リードを獲得する予算は2万円×50件=100万円となります。
リード獲得のPDCAは、下記のように回すと効果的です。
・リードがどんな状況であるかを分類する
・リードの獲得件数は週単位でチェックする
・リードの獲得件数、成約率の状況から、今後の対策を打つ
・顧客獲得単価や予算の上限を決める
・リードの獲得が商品の販売につながっているかをチェックする
それぞれの項目について説明します。
リードを獲得したら、それぞれのリードがどんな状況であるかを分類しておきましょう。
具体的には、あくまでも見込み客の段階であるのはどの顧客か、見込み客の段階である顧客のうち、営業しだいで商品の販売が見込めそうなのはどの顧客か、という点を見極めておきます。
それにより、商品を購入する可能性が高い顧客を営業担当者に紹介できるため、商品の販売につなげやすくなります。
リードの獲得件数の調査は週単位で行うようにします。
週単位でリードの獲得件数を把握しておくことで「リードをさらに獲得するにはどうすれば良いか」という対策を立てやすくなるためです。
リードの獲得施策ごとに獲得件数や成約率の状況をチェックすることで、今後の対策を打ちやすくなります。
例えば、リスティング広告はリードの獲得件数が高くないものの、成約率が高いとしましょう。そのような場合は、リスティング広告にさらに予算をかければ、リードの獲得件数が増加しやすくなり、成約件数のさらなる伸びが見込めます。
また、オウンドメディアはリードの獲得件数が多いものの成約率が低い場合は、リードを育成できれば成約率の向上が期待できます。
そのほか、獲得件数が少なく、成約率も低い獲得施策がある場合は、費用対効果が見込めないため、その施策を取りやめにする方法もあります。
リードの獲得施策を実施する場合、予算の上限を決めておくことも重要といえます。
リスティング広告に予算をかければ、多くの場合成約件数は上昇します。しかし、成約件数が一定数を超え始めると、予算を増やしても成約件数の伸びが頭打ちになることがあります。
そのような状況が続くと顧客獲得単価が上昇するため、リードの獲得効率が低下してしまいます。
予算の上限の目安は「商品の売上高×粗利益率」未満に抑えましょう。予算額が商品の粗利益の範囲内であれば利益を確保できます。逆に、予算額が商品の粗利益を上回ってしまえば損失が発生します。
リードの獲得施策の上限はいくらにするか、という目安をあらかじめ決めておくことがポイントです。
リードを獲得することで、実際に商品の販売につながっているかどうかは、営業担当者と連絡を密にしておくことがポイントです。商品の販売状況とリードの獲得状況を把握しておくことで、リードの獲得が商品の販売につながっているかをチェックできます。
もし、リードを獲得できているにもかかわらず、商品の販売につながっていない場合は、リード獲得の施策を見直す必要があります。
ここまで、リードを獲得するための具体的な方法について説明してきました。実際にリードを獲得するにあたってリード獲得の成功事例を理解しておくと、リードを獲得する場合に役立つでしょう。
ライオン株式会社はサイトをリニューアルしたことで、月間問い合わせ数と単月の平均売上が上昇する効果が見られました。
サイトをリニューアルする前は、問い合わせページへの誘導がうまくいかず、目的外の問い合わせが50%を超えている状況でした。
サイトをリニューアルした後は、問い合わせ数は3か月で6.2倍に上昇し、問い合わせ数の目標値を達成しました。
また、サイトを構築した後も継続的に改善を行った成果が出て、単月の平均売上は5年で4.6倍を達成するほどの上昇ぶりです。
商品に対して関心を持つユーザーを問い合わせページに誘導する仕組みが奏功し、問い合わせ数はもちろんのこと、売上の上昇にもつながりました。
参考:株式会社ペンシル ライオン株式会社 成功事例
https://www.pencil.co.jp/success/lion_novelty/
東洋インキSCホールディングス株式会社は、リード獲得の施策をスモールスタートで始めることによって成功につなげることができました。
同社が利用したリード獲得の施策はメルマガの配信です。同社は展示会に出展の際、展示会の来場者に対するお礼をメールで配信しました。その際、取引先に対してメルマガの案内も行います。
さらに、メールに自社サイトのURLを掲載することにより、自社サイトを訪れる取引先も増え、自社サイト自体が営業のツールとして活用されるようになりました。
同社はかつて、飛び込みによる営業をメインに行っていましたが、メルマガと自社サイトの活用で営業活動の効率化が実現しました。
参考:List Finder導入事例 東洋インキSCホールディングス株式会社
株式会社WAKUWAKUが「中古住宅+リノベーション」をキーワードに掲げて運営する「リノベ不動産」は、Facebook広告を活用することで、中古住宅をリノベーションした物件の販売を行っています。
住宅の購入は新築が多くを占めている状況において、Facebook広告を活用することで、中古リノベーション物件の認知度を高めています。
Facebook広告を導入した後、問い合わせ件数は月間平均で85%上昇したほか、問い合わせ獲得単価を50%削減することに成功しました。
また、認知度が高まった段階でセミナーを実施することにより、中古リノベーションの販売につなげています。
参考:Meta 成功事例 リノベ不動産
https://www.facebook.com/business/success/beat-house
リードを獲得する主な方法としては、オンラインの面ではオウンドメディアやWeb広告の活用、オフラインの面では展示会やイベントへの出展があげられます。
最近ではあらゆる面でオンラインが重視される傾向にありますが、リードを獲得するためには、オンラインによる集客に限らず、オフラインの集客も組み合わせることも重要となります。
また、リードの獲得においては、獲得のための計画を立てることも大切です。リード獲得の計画数が決まったら、どのような施策を活用して集客するかを決めておきましょう。
インターネットの普及により、オンラインを活用して集客することが一般的となりました。オンライン、そしてオフラインによるリード獲得の強みを活かしながら、リードの獲得を効率的に進めましょう。
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