新規顧客開拓は、企業が売上を上げていくうえで不可欠なプロセスです。継続的な新規顧客開拓の成功が、企業の成長の鍵になります。
効率的な新規顧客開拓には、現状の分析が不可欠です。そして、現状の分析を行うのに役立つ指標が、KPIです。
また、一度自社の顧客となった場合には、自社のリピーターとなってもらう必要があります。リピーターを多く獲得することができれば、将来の安定した売上を見込むことができるためです。
この記事では、新規顧客開拓のKPIや、その注意点、既存顧客にリピートしてもらうための方法について解説します。
KPIは重要業績評価指標とも呼ばれ、企業が最終的な目標に到達するためにクリアすべきプロセスの達成率を意味します。KPIを測定・分析することで、現状の課題が明らかとなり、課題を解決することで、最終的な目標達成に近づくことができます。
以下では、新規顧客開拓における代表的なKPIを解説します。
受注率は、見込み客のうち、最終的な受注に至った割合を示すものです。企業は多くの見込み客を獲得しますが、最終的な受注に至る割合はそう多くありません。
もし受注率が低いようなら、見込み客に対するマーケティング・営業活動が不十分な可能性が高いです。リードナーチャリングやリードクオリフィケーションのプロセスを見直し、受注率の向上を目指しましょう。
なお、適切な受注率は業種や商材によっても異なります。下記の顧客獲得単価を考慮しながら、目標となる受注率を設定しましょう。
顧客獲得単価とは、顧客1人を獲得するために要した費用の総額を指します。ここでいう費用とは、マーケティング費用、広告費用、担当者の人件費等、顧客獲得にかかわるすべての費用を含みます。
当然、顧客を獲得する費用は低いほうが優秀です。ただし、単価が大きい商材には、顧客が最終的に購入するまでに長い時間を要し、マーケティング活動も多く必要となるため、顧客獲得単価は高くなります。下記の顧客ライフタイムバリューを考慮しながら、適切な顧客獲得単価を設定しましょう。
顧客ライフタイムバリューとは、顧客一人が生涯にわたってどれだけの売上を発生させるかを示す数値です。サブスクリプションサービス等でよく用いられる指標ですが、リピートがされやすい商材であれば、顧客ライフタイムバリューによる分析が役立ちます。
継続して購入される商材や、リピートが多い商材であれば、顧客ライフタイムバリューが大きくなります。顧客ライフタイムバリューが大きければ、たとえ顧客獲得単価が大きいとしても、十分利益を獲得することができます。
新規顧客開拓においてもっとも注意すべき点は、顧客目線に立った営業活動を行うことです。営業担当者としては、顧客を獲得したい一心で、強引ともいえる営業活動を行ってしまうこともあります。
しかし、そのような営業活動を行ってしまっては、一度は受注に至ったとしても、リピートを見込むことは難しいでしょう。顧客との良好な関係が築けていなければ、顧客は同業他社に乗り換えてしまう可能性があるからです。
また、リピートをしない性質の商材の場合でも、強引な営業活動を行ってしまえば、悪い口コミが広まってしまいます。インターネット時代の購買行動の特徴の一つとして、口コミを重視する点が挙げられるため、悪い口コミが広がることは、企業にとって大ダメージとなります。
営業活動を行う際には、顧客が何を望んでいるかを考え、その要求に応えられるよう十分にコミュニケーションを取ることが必要です。そのような営業活動を継続すれば、顧客からの信頼を獲得することができ、長期的に良好な関係を築けるでしょう。
新規顧客開拓では、見込み客が自ら行動をするプル型と、企業が見込み客に対して直接アプローチを行うプッシュ型の施策を適切に使い分けてマーケティングを行うことが効果的です。以下では、新規顧客開拓の事例について紹介します。
ある小売店では、店舗においてイベントを行う旨のリスティング広告を出稿しました。そして、実店舗で行われたイベントの内容をSNSでシェアし、その店舗で利用できるクーポンを配布しました。これによって、SNSや口コミで話題となり、イベントは成功となりました。
この事例では、リスティング広告というプッシュ型の施策と、顧客にSNSの投稿をしてもらうというプル型の施策が連動して実施されています。このように、プッシュ型の施策で集客をし、プル型の施策で情報の共有・拡散を狙うマーケティングはよく行われており、一定の成果をあげているといえます。
企業が売上を上げるためには、新たな顧客を開拓することも重要ですが、既存の顧客にリピートしてもらうことも重要です。以下では、既存顧客からリピートを得る方法について解説します。
上記で、営業活動の際には良好な関係を構築することが重要であると説明しました。リピートのためには、この関係性を継続することが重要です。
例えば、定期的にアフターケアを行ったり、アップデートに対応したりすることが考えられます。また、もし販売した商品に不具合があった場合には、誠意ある対応をしなければなりません。
このような地道な活動を通して、顧客の信頼を得ることが重要です。
顧客に対して個別にアプローチをすることも、リピートしてもらううえで重要です。顧客に対して、一斉に同じ内容のメッセージを送ったとしても、顧客がメッセージをしっかりと読む確率は低いでしょう。
しかし、個別のメッセージが付されていれば、顧客は自身が特別扱いされているように感じ、リピートしようと思う可能性が高くなります。個別のメッセージだけでなく、クーポンや優待券の送付も効果的です。
では、リピートを得るために、既存顧客に対してはどのようにアプローチすれば良いのでしょうか。以下では、既存顧客へアプローチする場合のポイントについて解説します。
まずは、既存顧客のデータを再分析します。既存顧客が膨大な量となっている場合には、その全てに対してアプローチを行っていては、非効率となってしまいます。
そこで、まずはアプローチすべき顧客を洗い出します。具体的には、「以前購入をしたがリピートしなかった顧客」「たまにリピートする顧客」「よくリピートする顧客」「最近顧客となったため今後のリピートが見込める顧客」等に分類します。
そして、リピート経験のある顧客やこれからのリピートが見込める顧客に対して優先的にアプローチを行います。アプローチの際には、再度の利用で割引となるクーポン券を付けるなどの工夫をすれば、よりリピートの確率が高まるでしょう。
既存顧客に対してアンケートを行い、利用者の意識を調査することも重要です。既存顧客のなかには、商材に何かしらの不満を抱えており、それが理由でリピートに至らなかった場合があるためです。
アンケートを行い、既存顧客の不満点を改善した新商品をリリースすれば、これまでリピートしていなかった顧客のリピート率が高まるかもしれません。新商品のリリースの際には、従来品からの改善点をアピールすることが必要です。
ここまで、新規顧客開拓や既存顧客へのアプローチについて解説してきました。新規顧客開拓も既存顧客のリピートも、企業が売上を上げるためには不可欠です。
この記事で挙げられたポイントを参考に、現状の施策に問題点があれば改善し、さらなる売上向上を目指しましょう。
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