多くの中小企業がホームページを立ち上げたものの、「アクセスが集まらない」「問い合わせが増えない」といった悩みを抱えています。実はその原因の多くは、「集客を意識した設計ができていない」ことにあります。
本記事では、これからホームページを新しく制作・リニューアルしようと考えている中小企業の皆さまに向けて、「集客を成功させるために制作段階から意識すべき5つのポイント」を具体的に解説します。
Web制作会社に依頼する前のチェックリストとしてもご活用いただける内容です。
集客効果のあるホームページを作るうえで、最も基本かつ重要な要素の一つが「ターゲットの明確化」です。これは、ただ単に商品やサービスを紹介するだけのサイトではなく、誰に向けて情報を届けるのかをはっきりさせることが、ホームページの成果を大きく左右するという意味でもあります。
たとえば以下のような情報を具体的に想定しておくことが大切です。
・年齢層:20代〜30代の若年層か、50代以上の経営者層か
・性別:女性向けか、男性向けか、またはユニセックスか
・職業・業種:士業、飲食、美容、建築、不動産など、特定の業界に特化するのか
・地域(エリア):全国対応か、地域密着型か(例:大阪市内限定・関東全域など)
・ニーズ・課題:どんな悩みを抱えているのか? 何を求めているのか?
・検索キーワード:どのような言葉で検索される可能性があるか?
このような情報を明確にせずにホームページを制作してしまうと、発信するメッセージがあいまいになり、結果として「誰の心にも響かないホームページ」になってしまう恐れがあります。
ターゲットが曖昧だと、コンテンツの言葉選び、写真や配色、問い合わせボタンの設置場所など、すべてがブレてしまい、成果につながらないのです。
一方、ターゲットが明確であれば、訴求ポイントやデザイン、構成までもが一貫性を持ち、「このサイトは自分のための情報だ」と訪問者に感じてもらえるようになります。
ターゲットが定まったら、次に必要なのが「サイト内でのユーザー導線=カスタマージャーニー」の設計です。
ユーザーがホームページを訪れたあとに、どのような情報に接触し、どういう心理状態になり、最終的にどこで行動(問い合わせ・申し込み)に至るか――この一連の流れをあらかじめ想定しておくことがとても重要です。
たとえば、BtoBサービスの場合の典型的な流れ
トップページ(第一印象)
→ 事業紹介ページ(何をしている会社かを理解)
→ お客様の声・導入事例(実績があり安心できると感じる)
→ よくある質問(自分の不安を解消)
→ お問い合わせページ(実際にアクションする)
このように、ユーザーの心理変化に応じた「情報の順序」や「ページ遷移」を意識して構成を設計することで、ユーザーが迷わずゴールにたどり着けるようになります。
もし「お問い合わせ」ボタンだけをページ上部に1つだけ置いていても、訪問者はそこに至るまでの「安心材料」や「納得の理由」がなければ、行動に移してはくれません。
ユーザーが必要とする情報を、必要なタイミングで自然に届けられる構成こそが、成約率(CVR)を高める大きなカギなのです。
また、問い合わせだけでなく、「資料ダウンロード」「LINE登録」「見積もり依頼」など、複数の導線を用意しておくと、ユーザーの心理状態やニーズに応じたアクションの選択肢を提供でき、結果として成果を最大化することが可能になります。
検索エンジンからの流入を増やすためには、Googleが評価しやすいホームページの構造、いわゆる「内部SEO対策」が欠かせません。見た目のデザインだけでなく、検索エンジンに“正しく伝わる構造”を作ることが、検索順位の向上に直結します。
具体的には以下の要素が重要です。
タイトルタグ(title)と見出しタグ(h1〜h3)の最適化
→ 主要キーワードを自然に含め、ページごとに固有の内容にする
メタディスクリプションの記述
→ 検索結果でクリック率に影響するため、魅力的かつ要点を簡潔にまとめる
パンくずリストの設置
→ サイト構造を明確にし、ユーザーとGoogle両方に好影響
URLの最適化(例:/service/web-design)
→ 英語表記・意味のある短さで設計する
alt属性(画像の代替テキスト)
→ 画像が何かを説明し、視覚障害者や検索エンジンにも配慮
内部リンクの構築
→ 関連ページへの導線を設け、サイト回遊率を高める
これらを最初から設計に取り入れておくことで、「SEOに強い土台」を持ったホームページが完成します。
SEOは構造だけでなく、「中身=コンテンツ」も重要です。特に中小企業にとって有効なのが、見込み客が検索しそうなキーワードをもとに記事を発信する「コンテンツSEO」です。
たとえば、以下のようなトピックは検索ニーズが高く、かつ自社の信頼性を高める材料にもなります。
・よくある質問(FAQ)
・○○業界の最新ニュース・動向
・導入事例(ビフォーアフター形式)
・課題解決コラム(「○○でお困りの方へ」など)
これらのコンテンツを定期的に更新することで、「この企業は知識がある」「信頼できそう」という印象を与えるだけでなく、検索流入の入り口を増やすことにもつながります。
「役立つ情報を提供し続ける姿勢」が、検索エンジンにもユーザーにも高く評価されるのです。
ホームページに訪問したユーザーが「ここに問い合わせても大丈夫だろうか?」と感じるのはごく自然な心理です。その不安を解消し、信頼を獲得するには、信頼性を担保する情報設計が不可欠です。
信頼性を高める主な要素:
会社概要や代表者あいさつ
→ 企業としての姿勢や人となりが伝わる
スタッフ紹介(顔写真付き)
→ 実際に対応する人物が見えると安心感が増す
導入実績・取引先一覧
→ 規模や信用力のある企業との取引があれば必ず掲載
お客様の声(レビュー・体験談)
→ 実在する第三者の評価はとても効果的
メディア掲載・受賞歴・資格
→ 客観的な評価を示すことで、信頼の裏付けになる
これらの要素を適切な場所に配置することで、ユーザーは「この会社なら大丈夫そう」と安心し、問い合わせ行動に移しやすくなります。
CTA(Call To Action)とは、「行動を呼びかける要素」のことです。たとえば、
・「無料相談はこちら」
・「資料ダウンロード」
・「お問い合わせフォームへ」
といったボタンが該当します。
重要なのは、CTAの“配置場所”と“デザイン”です。ユーザーがページをスクロールしていく中で、自然なタイミングでCTAが表示されることが理想です。
ファーストビュー、本文中、記事下部、サイドバーなど、複数の場所に分散配置しておくことで、ユーザーが行動しやすくなります。
ボタンの色やサイズも目立たせる工夫を施し、「迷わず行動できる設計」を意識しましょう。
近年、ホームページの閲覧はPCよりもスマートフォンからのアクセスが主流になっています。Googleもモバイルフレンドリーを評価基準としており、モバイル対応していないサイトは検索順位にも悪影響が出る可能性があります。
スマホ対応チェック項目:
・タップしやすい大きめのボタン
・見やすい文字サイズ(14px以上推奨)
・横スクロールが不要なレイアウト
・指で操作しやすいメニュー構成
スマホで閲覧した際にストレスを感じるような構成だと、高い確率で離脱されてしまいます。レスポンシブデザインの導入はもはや常識といえるでしょう。
表示速度も、ユーザー体験とSEOの両面に大きな影響を与える要素です。特にモバイル環境では通信速度が不安定な場合も多いため、「3秒以内に表示される」ことが理想とされています。
表示速度を改善する方法:
・画像ファイルの圧縮(WebPなど軽量形式)
・JavaScript/CSSの最小化
・CDN(コンテンツ配信ネットワーク)の活用
・キャッシュ設定で再表示を高速化
Googleの「PageSpeed Insights」などで定期的にスコアを確認し、技術的なチューニングを行うことで、サイトの表示速度は大幅に改善されます。
多くの企業が「ホームページを一度作ったら完成」と考えがちですが、実際には制作後の運用が最も重要なフェーズです。
情報の更新や記事の追加、事例紹介の拡充、SEO分析に基づく改善など、継続的な“手入れ”が、検索流入や問い合わせ増加につながります。
継続的に更新していくには、運用が簡単であることが前提になります。たとえばWordPressなどのCMSを導入し、以下のような機能を制作時点で整えておきましょう。
・お知らせ・ブログ投稿機能(カテゴリ分け含む)
・お問い合わせ履歴の自動記録・通知
・管理画面からの画像差し替え・文章修正
・操作マニュアルの整備
社内で担当者が対応できるように設計されていれば、更新頻度も保たれ、外注コストの削減にもつながります。
ホームページは「公開したら終わり」ではありません。データをもとに改善を繰り返すことで、より集客効果の高いサイトへと成長させることができます。
導入すべき分析ツール:
・Googleアナリティクス:アクセス数や滞在時間、流入経路を確認
・Googleサーチコンソール:検索キーワードや掲載順位を分析
・ヒートマップツール(Clarityなど):ユーザーの行動・離脱箇所を視覚的に把握
これらを活用しながら、「どのページが見られているか」「どこで離脱しているか」を確認し、レイアウトやコンテンツを改善していくサイクルを回しましょう。
中小企業にとって、ホームページは単なる「会社案内」ではなく、見込み客を集め、信頼を獲得し、問い合わせへと導く営業ツールであるべきです。
そのためには、制作段階から以下の5つを意識することが不可欠です。
・ターゲットと導線設計
・SEOを意識した構造とコンテンツ
・信頼性の高い情報設計とCTA配置
・モバイル対応・高速化対策
・制作後の運用を見据えたシステム設計
こうした要素を一つ一つ押さえておくことで、ホームページは確実に「成果の出る集客装置」へと進化していきます。
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